今、着たい僕らの洋服 - Beauty & Youth | United Arrows
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第2回 洋服の物語は、おもしろい

アイテムモヘアカーディガンとコットンアクリルニット

いつからか、ニットはワードローブに欠かせないアイテムになった。秋になれば、昨年も買ったような、他人から見ればおんなじようなニットがいつも欲しくなるし、たまに少し色で遊びたくなったりもして。歳を重ねるごとにどんどん好きになっていくのはなぜだろう。この秋冬、三田 輝が提案したのは、モヘアのカーディガンとコットン素材のニット。さまざまな洋服に袖を通してきた大の服好きが考える、今年のニット。

三田 輝

Profile三田 輝
BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS のさまざまな店舗を渡り歩き、11月1日よりオープンする新店、UNITED ARROWS 渋谷スクランブルスクエア店のメンズリーダーに着任。ファッションへの熱い情熱と男気あるスタンスから、先輩後輩問わず慕われる存在。

今回はニットを提案されたと聞きました。

三田 輝
はい。まず、モヘアのカーディガンは、個人的に昔からずっとワードローブにあって、毎シーズン必ず着ているアイテムのひとつでした。秋口はT シャツの上に羽織ったり、少し寒くなってきたら例えばフーディやGジャンなどのライトアウターの上に重ねてもいい。もちろん、コートのインナーとしても重宝しますし、シーズン通して、さまざまなスタイルで楽しめる汎用性の高いアイテムを今の気分に合わせて作ってみたいと思ったのがきっかけでした。

モヘアの生地感が気持ちいいですね。

三田
そうなんです。今回、生地はこだわったポイントのひとつですね。やや毛足の長い、肉厚で上質な素材を使うことで、気持ちのいい手触りと着心地になっていると思います。素材のクオリティにこだわることで、色の発色も綺麗で少し空気を含んだようなふわっとした質感が生まれます。

確かに、このボリューム感、しっかりした厚みは、安心感がありますね。アウター的な感覚というか。

三田
はい。やっぱり、ニットやカットソーの「着ていて気持ちいい」っていう感覚は、無意識に感じているもので、そこがフィットしないとだんだん着なくなったりしてしまうのかなと。

なるほど。今回、カラーは3色展開。ちょっと攻めた色もありますね。

三田
はい。写真の紫と黄色に加えて、グレーも用意しています。昔、先輩にモヘアのカーディガンをいただいたことがあって。それが紫とブラックをミックスしたようなややパンチのきいた配色だったんですが、着てみると意外にも派手なイメージにはならなくて。そんな体感からか、モヘアであれば多少強い色を使っても、毛足があることですごく馴染む印象があったんです。

言われてみれば、そうかも知れません。

三田
通常、3色展開の場合は、2色はベーシック、1色だけ差し色のバランスで作ることが多いけれど、今回はあえて逆にしています。実物を見ていただけるとより伝わりやすいんですが、色が馴染むので、ブラック、ネイビー、ベージュなど、ベーシックカラーにも合わせやすい。どうしても冬はシックな色味ばかりになってしまうので、差し色が欲しいという理由もありますね。
三田
そうかもしれません。僕の周りだと古着を着ている人が多いですね。今回のアイテムは、新品だけれど、少しだけミックス感のあるモヘアを使うことで古着のような馴染みの良さがある。これまで、BEAUTY & YOUTH のカーディガンといえば綺麗で上品、サイズ感もシャープなものが多かったなかで、自分が提案させてもらうのであれば少しだけクセのあるものをと考えました。カーディガンというと、やはりカートコバーンなどのアイコンが出てきますが、デザインはそんなルーズなイメージを持ちながら、少しだけモダンに、というイメージですね。

先ほど、ショートアウターの上に羽織るというお話もありましたが、シルエットも大きめ。

三田
ガーディガンをアウター代わりに羽織るのもおもしろいなと思っていたので、比較的ゆったりとしたパターンで製作しています。それに、あえて前立てを無くして、ポケットもつけない仕様にすることでスッキリとした雰囲気も意識しました。

コットンアクリルニットについても聞かせて下さい。

三田
もともとお客様や社内のスタッフからもモックネックのニットを着たいという声があって、そこから企画がスタートしました。畔編みという編み方を採用していて、しっかりボリューム感があって、1枚で着てもサマになる安定感がある。首に沿うように設計されたネックのデザインで上品な見え方になります。今作の1番のポイントは、素材がコットンということ。

秋冬に、コットン。

三田
はい。一般的に、秋冬シーズンはウールやカシミヤが定番ですが、あえて冬でもコットンベースのニットを着るという提案をさせていただきました。コットンアクリルニットって毛玉が気にならないですし、洗えるのも大きなポイントで、メンテナンスも楽なんです。都市での暮らしは、移動時間も短いことが多いし、保温性にこだわるというよりは、扱いやすくて着心地も滑らかな素材で、冬場にも着られるニットの方が快適だなという実感があって。チクチクすることもなく、冬を越えて春まで愛用できるのも嬉しいですよね。

確かに、コットンベースの素材でも厚手の生地感であれば十分暖かいですよね。モックネックもトレンドを経て、定着した印象があります。

三田
そうですね。個人的には、1枚で着ていただくのももちろんいいですが、中にシャツを着て、襟をチラッと出すようなコーディネートもおすすめしたいですね。モックネックといえど、そこまで大げさなデザインではなくて、ネック高も少し低めに設定しているので、クルーネックの延長で着れて、やや上品に見える。限りなくクルーネックに近いモックネックというところでしょうか。裾はリブありで、ブラウジングすることもできてよりボリューミーに着ることもできます。去年はリブなしでスッキリ着るのが気分でしたが、今年は裾に溜まりができるふくよかなムード感がいいなと思っています。秋冬のコットンアクリルニット、日本の気候だからこそスタンダードになり得るアイテムかもしれません。そろそろ、ちょうどいい季節ですね。