社長インタビュー

中長期的な視点で取り組みの見直しと体系化をすすめスピードを上げてCSRを推進していきます

当社は、おかげさまで2019年10月に創業30周年を迎えます。ユナイテッドアローズグループのこの次の成長に向けて、4月にグループの経営理念を改定しました。改定を経た現在も、当社におけるCSRの基本は、経営理念と社是に基づいた「5つの価値創造」の追求に変わりありません。5つの価値とは「お客様価値」「従業員価値」「取引先様価値」「社会価値」「株主様価値」であり、これらの価値向上によって、すべての起点であるお客様価値の最大化を目指しています。
昨今、持続可能な開発目標(SDGs)ヘの施策が求められる中、当社は、今年度の全社推進項目に「5つの価値創造の推進による社会的な課題への対応」を掲げました。中長期的な視点で、当社CSRの取り組みの見直しと体系化をすすめ、スピードを上げて推進していきます。内容の透明性を保ち、積極的なコミュニケーションによって、ステークホルダーの皆様と共に、持続可能な社会の実現をめざしていきたいと考えています。

ユナイテッドアローズ社のCSRに対する基本的な考え方をお聞かせください

経営理念と社是に基づき、「お客様価値」「従業員価値」「取引様先価値」「社会価値」「株主様価値」という5つの価値を追求することをCSRの基本に置いています。4月に改定した新しい経営理念は、何のために当社が存在しているのか、私たちの日々の行動がどのように社会とつながっているのか、一人一人が経営理念を身近なものとして活用できるような表現にこだわりました。各自が当事者意識を持って経営理念の実現に向かえば、おのずと社会への責任感が生まれ、それが「5つの価値創造の追求」につながり、その結果私たちは社会に必要とされる存在として認められると考えています。新しい経営理念のもと、より一層CSRを推進していきます。

5つの価値の中で、私たちが最も大切にすべきなのは「お客様価値」です。お客様が、私たちの提供する商品やサービスに共感・共鳴され、ご購入くださることは、当社の行動に対して評価をいただけたということです。お客様に対してそれらの価値や商品を直接提供しているのが従業員であり、支えていただいているのが、仕入先様やデベロッパー様などの出店先、情報発信していただいているメディアの方々などを含めた取引先様です。適正な原価、営業活動費などの経費のもと利益を上げ、税金を支払うことは社会価値となり、最終的には会社を支えていただく株主様価値の向上につながります。当社の「5つの価値創造」のすべては「お客様価値」から始まっています。

CSRは、お客様からの信頼を裏切らず、買って良かった、買って得したと思っていただけるよう、商売のあるべき姿の追求とも言えると考えています。

今期の全社推進項目「5つの価値創造の推進による社会的な課題への対応」は、どのような狙いがあるのでしょうか

今、お客様を含めて、サステナビリティ分野への興味関心がとても高まっています。当社のこれまでの取り組みを基盤にしながら、事業活動の中で、もっと社会や環境の課題解決につながるアクションがあると、私は感じていました。全社推進項目として掲げることで、社員一人一人に強く意識付けされ、より多くの具体的な行動が生まれると考えています。持続可能な開発目標(SDGs)を見据えながら、中長期的な視点で、取り組みの見直しと体系化をすすめ、事業活動と一体となって、スピードを上げて推進していきます。活動の透明性、情報公開がこれまで不足していましたので、積極的にコミュニケーションしていきたいと思います。

ユナイテッドアローズ社ならではと考える取り組みは何ですか

2018年11月に、新しいブランド「Pheeta(フィータ)」をスタートしました。「繋(つな)ぐ服」をコンセプトに、国内外の優れた工場様や職人の方々と協業して、永く大切に引き継いでいただけるようなモノ作りを目指しています。これまで世代を超えて継承されてきた、伝統的な服飾生産の技術や文化の中には、今、さまざまな理由でその継続が困難な状況下に置かれているものがあります。そういった技術に当社のクリエイションを加えることで新しい価値を生み出し、次の時代に繋げていくことは、当社ならではの事業を通じた社会課題解決と考えています。

こういった取り組みがトップダウンではなく、社員からの発案であることも、当社の特徴の一つです。その根底には経営理念があり、私たちが社会のために何ができるかを常に考えている表れだと感じております。

働き方改革の進捗はいかがでしょうか

継続して、働き方の多様化を進めています。

昨年度、「風土改革プロジェクト」において人事評価・報酬制度の見直しを行い、2019年4月から新しい制度をスタートさせました。評価や報酬決定プロセスが不透明といった、以前の制度に対する従業員の率直な声も聞きながら、多様な就労観をもつ従業員それぞれが生き生きと働けるよう、納得感や手応えを重視した制度に設計し直しました。

同月より、オフィス部門での時差出勤制度(スライドワーク)も導入しました。1日の勤務時間は固定のまま、決められた勤務時間帯の中で、始業・就業時間を繰り上げたり、繰り下げたりスライドできる制度です。一人一人のワーク・ライフ・バランスの充実によって業務効率や生産性の向上が見込め、残業削減にもつながると考えています。

働き方の多様化は、従業員のモチベーション向上につながるだけでなく、採用力強化、離職率低下など、さまざまな効果が想定されます。副業やテレワーク(在宅勤務)についても今後検討をすすめていきます。

昨年度は国内の自然災害が多い年でした

被災された皆様、そのご家族の方々に、あらためて心よりお見舞いを申し上げます。当社においては、従業員やそのご家族の被害は確認されず、営業面についても、大半の店舗が短期間で営業を再開でき、物流やシステムなどのインフラについても大きな被害はありませんでした。当社では、BCP(緊急時業務継続計画)を策定しており、有事の際には、お客様や従業員の安全確保を第一に、あらかじめ定めた社内体制や役割、行動手順などに基づいて対応をしています。

被災された皆様に対する、当社の事業内容ならではの支援として、Tシャツや下着、靴下といった現地ニーズに応じた製品の寄付や、従業員とお客様に支援金募金を呼びかけ、復興支援活動への寄付も行いました。

最後にメッセージをお願いします

新しい経営理念体系では、社是も改定しました。これまでは「店はお客様のためにある」でしたが「すべてはお客様のためにある」としました。取締役も従業員も、店舗もオフィス部門も、社会を意識し、社会にとって必要な存在として認められるか否か、という判断基準を強調するものとなっています。

事業活動とより一体となってCSRを具体的にすすめ、社会課題の解決、持続可能な社会の実現をめざしたいと考えています。お客様をはじめとするステークホルダーの皆様と積極的にコミュニケーションを図り、当社の取り組みにご理解、ご賛同いただけるよう努めてまいります。