社長インタビュー

5つの価値創造を通じ、社会に貢献する存在として、100年企業を目指していきます。

「私たちは、世界に通用する新しい日本の生活文化の規範となる価値観を創造し続けます。」という経営理念と、「店はお客様のためにある」という社是に基づき、「5つの価値創造」を追求することが、私たちにとってのCSRの基本です。5つの価値とは「お客様価値」「従業員価値」「取引先様価値」「社会価値」「株主様価値」であり、これらの適正な流れによって、すべての出発点であるお客様価値を最大化しようとしています。特にこの1年は、価値創造の原点になる商品施策の強化による商品力向上や、組織改編、企業風土改革などにも積極的に取り組んでまいりました。ESG投資なども進む中で、今後は取り組みの発信などにも力を入れていく方針です。

ユナイテッドアローズのCSRに対する基本的な考え方をお聞かせください。

「お客様価値」「従業員価値」「取引様先価値」「社会価値」「株主様価値」という5つの価値を追求することをCSRの基本に据えています。私たちが提供する商品やサービスに共感・共鳴し、お客様にご購入いただくことで、当社の行動に対して評価をいただいたと認識しています。その売上から、従業員、取引先様、社会、そして株主様の方々に対する価値を向上できると考えております。お客様からの信頼を裏切らず、買って良かった、買って得したと思っていただけるよう、商売のあるべき姿を追求し続けていきます。

あるべき姿の追求のために行ってきた取り組みを教えてください。

私たちには基本商品政策があり、ここ1~2年で時代に合わせて刷新し、社内への浸透を図ってまいりました。特に「適時=欲しい時に、適品=欲しいものが、適価=欲しいと思う価格で、適量=欲しい量だけを、適所=欲しい場所で購入できる」ための「5適」を強化しています。なかでも、商品は適価であることが今まで以上に求められています。

過去、私たちは価格に対してお客様から信頼を失った時期があったと認識しています。自分たちが提供する商品がお客様に評価いただけず、正価で売れなかったので値下げをし、自ら商品の価値を下げてしまったのです。結果的に業績も落とし、昨年度までの3年間は3期連続の減益となってしまいました。減益局面ではすべての問題、課題を抽出し、改善項目を定めて解決に取り組んでまいりました。商品価値の向上を目指す中で、SPA型の「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(以下、GLR)」から「8シーズンMD」を導入しました。お客様に適価でご提供できたと思っていても、商品の投入が適時・適量でないと、在庫が残り、値下げをせざるをえなくなります。これは正価で購入していただいたお客様からの信頼を損なう行為であり、業界全体で繰り返してきた解決しなくてはならない課題です。

不良在庫は商品廃棄にもつながり、環境にも悪影響を及ぼします。業績を落とし、従業員の所得が下がり、取引先様の価値向上にもつながらず、減益すると納税額も減るので社会に対する貢献度も低下し、株主様にも評価いただけないという悪循環を解消するため、「5適」を実現すべく、商品の投入サイクルなどを見直しました。この8シーズンMDを定着させることは、正価販売が増え、消化率が改善し、廃棄商品も減り、売上も向上し、CSRにつながることだと実感しています。

4月に大きな組織変更を実施しました。どのような狙いがあるのでしょうか?

これまで細分化していた組織を、スケールメリットによる効率の改善と相乗効果の創出を目的に統合しました。従来はUA(ユナイテッドアローズ)本部、BY(ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ)本部、GLR本部、そして小型事業のSBU(スモールビジネスユニット)本部と4本部体制だったものを、トレンドマーケット向けのセレクト色が強い「UA」「BY」「オデット エ オディール」「ドゥロワー」を統合した第一事業本部と、ミッドトレンドマーケット向けのSPA中心の「GLR」「ジュエルチェンジズ」「ザ ステーションストア ユナイテッドアローズ」の第二事業本部の2本部体制としました。

私たちは大型店舗で、手厚く人員を配置して接客サービスや運営に当たることを特長としてきました。一方で、SBUは主に小規模店舗で、昨今特に欠員が発生した際のフォローアップが難しく、所属メンバーへの負担が大きいという問題がありました。また「商品価値の向上」や「5適」を追求する際にも、小型事業単位での商品調達では会社のスケールメリットが享受できず商品の完成度が高めきれず、価格が高くならざるを得ないという側面もありました。孤軍奮闘してきたSBUの問題解決が大きな狙いです。大きな組織運営になったことで欠員補充がしやすくなりましたし、おのおののチャレンジしたいことややりたい仕事などに耳を傾け、能力を最大限発揮できるようにすることで、キャリアプランが広がり、閉塞感を払しょくする狙いもありました。人材の交流も積極化し、成功事例の横展開なども促進します。同じ商業施設内の複数店舗でストアブランドの垣根を超えてフォローしあえることや、バックルーム業務を効率化できるのも大きいですね。

さらに、セレクト業態を主にSPAをプラスした商品プラットフォームだったものを、セレクト型・トレンドマーケット向けと、SPA型・ミッドトレンドマーケット向けなど、事業特性によって独自のプラットフォームを構築することも考えています。

働き方改革が叫ばれていますが、具体的な施策とは?

社会環境の変化に対応し、働き方の多様化を進めます。当社では2007年にアルバイト従業員の希望者を正社員化して以来、原則全員正社員化の方針をとってきました。人材獲得の難しさが顕在化しはじめてきたころで、正社員とアルバイトでは定着率の違いもありました。人件費がかなり増加し株主様からのご意見もいただきましたが、優秀な人材確保につながり、離職率の低下やモチベーションの向上、サービスレベルの維持向上など、従業員満足、ひいてはお客様満足に寄与してきました。

とくに当時は、急拡大戦略をとり、多店舗化に大きく舵を切っていた時期で、会社の規模拡大の原動力にもなりました。ただし今は働き方改革が唱えられ、働く方のニーズも多様化しています。正社員を希望しない方は当社に興味があっても応募されないという残念な状況を改善し、アルバイト勤務やバックヤード専門職など働き方を多様化することで、採用の幅を広げます。出産や育児、介護などライフステージの変化で退職されたOB、OGの復帰も期待されます。

さらに、昨年から風土改革プロジェクトをスタートし、現在「ジョブローテーションとそれによる文化の交流」、「納得感を高める評価制度の見直し」の2つのテーマで推進中です。これらのプロジェクトを通じて、相互理解を促進し、風通しを良くすることで、閉塞感を打破していきます。

「もったいない」の想いから立ち上げた「REプロジェクト」を始動したきっかけは?

B品(キズもの商品)をリペアしたウエアや雑貨、店舗で使用していた什器や備品などを販売するイベント「RE : Store & Flea UNITED ARROWS LTD.」を前期よりトライアルでスタートしました。お客様により良い品質の商品をお届けすべく業界では品質検査がより厳しくなり「店頭販売基準以下」とされる商品や、キズや汚れがついた商品などが増えてきていました。一部のアウトレットで販売したり、やむをえず廃棄したりしてきましたが、洗ったり直したり磨いたり、ひと手間加えれば十分に着られる商品も多くありました。環境や社会への意識が高いお客様も増えていらっしゃいますし、従業員の中から「もったいない」という声が自然発生的に起こってきました。

そこで、一つひとつを最適な方法で再生させることで、お客様に新しい出会いの機会をご提供できたらとトライアルスタートしました。すると多くのお客様に共感いただくことができ、今後も開催していくことに決めました。什器についても、手を加えずにとても安価に販売したところ、一般のお客様や、洋服屋・飲食店などプロの方々からも好評でした。ウエアに関しては、物流倉庫にリペアできる体制も敷いています。廃棄物の削減は、CO2の削減にもつながります。過剰包装や紙タグの必要性など、あるべき姿を研究していくつもりです。

プレスリリース:"もったいない"からはじまったRE(再生)プロジェクト、今期より本格スタート

「041(オーフォアワン)」に参画し、障がい者のお一人おひとりの悩みから生まれた服を販売しました。

社会起業家の方々が「メディア・クリエイティブ・ソーシャル」の力を結集して"WE"の力で社会課題と向き合うソーシャルユニット「Social WEnnovators」からお声がけをいただきました。もともと当社のお客様だった方がアクシデントに見舞われ、障がいを抱えられながらも、かつてのようにオシャレをしたいけれども着られる服がなくて困っていると聞いたのがきっかっけです。お客様の声を聞き、問題解決をお手伝いしたいという有志の想いを会社としてオーソライズしたものです。試行錯誤しながらファッション性を重視した中で機能性を付加するデザインを目指しました。

ただ、ある程度まとまったロットでないと生産できないため、クラウドファンディングのような、欲しいお客様を募ってミニマム生産数に達したら生産という形をとらせていただきました。もうけの有無よりも、お客様のお役に立てたことや、新しいことにチャレンジし気付きを得られたことは大きな収穫でした。一過性で終わらせず、継続するための方策も考えていきます。

プレスリリース:041(オーフォアワン)と株式会社ユナイテッドアローズがコラボレーション 新レーベル"UNITED CREATIONS 041 with UNITED ARROWS LTD." 6アイテムの受注を4月12日(木)より開始

今後のCSR活動で強化する点は?

お客様に喜んでいただくこと、お客様から評価をいただくことが前提であり、ファッション小売として商品を買っていただくことの追求なくして、価値創造は始まりません。この実現には、時代対応と理念に即した施策を愚直に続けていくことに尽きます。2012年に社是を「店はお客様のためにある」と位置付けましたが、店がリアル店舗だけでなくECにも広がる中で、よりサービスや利便性を高めるとともに、商品の価値を高め、値下げを極力減らし、信頼感を高め、お洋服にお困りの方のお手伝いをするなど、社業を通じて5つの価値を創造してまいります。

また「環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance」に力を入れる企業を評価する「ESG投資」の機運も高まっています。当社としても、これまでは当たり前のこととして表に出してこなかったようなことも含めて、私たちのスタンスや具体的な取り組みなどをお伝えすることも強化してまいります。