スタッフインタビュー

社会価値の創造

まず第一に、世界に通用する新しい日本の生活文化の規範となる価値観を創造し続けることこそが、社会価値の創造につながると考えています。またその過程においても、法令の遵守や環境保全など、社会との信頼関係を築き、社会の発展に貢献していきます。

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羽毛をリサイクルする活動「グリーンダウンプロジェクト」の認知を広げ、 ファッションを通じた社会貢献を実現していきます。

GLR本部 商品部 メンズ生産課
佐竹 和志

エシカルな商品を積極的に選ぶお客様が増えている今、それに対応した商品開発は必要不可欠です。同時に、なんとなく気に入って購入した商品が実は社会貢献につながるといった、さりげなくココロが満たされ、役に立つ商品も拡充していきたいですね。

服作りに携ってくる中で、ユナイテッドアローズに転職したのはどのような理由からですか?

服が好きで、文化服装学院で3年間学んでから、こだわりの強いメンズのドメスティックブランドのアパレル数社でモノ作りに携わってきました。いずれも小規模な会社でしたのでデザイン、パタンナーのアシスタント、生産管理となんでもやらせていただき、モノ作りの基礎を一から学ぶことができました。反面、こだわりが強いが故にごく限られたお客様に向けて作られた商品であることや、店舗を持たない卸がメインの会社でしたので徐々により多くのお客様に対して直接商品をお届けし、より多くのお客様に喜んでもらえるような場所でチャレンジしたい」と思うようなり、当社の「グリーンレーベル リラクシング」(GLR)の生産部に入ることを決心しました。前職の展示会にユナイテッドアローズのバイヤーの方々にも来ていただいており素敵な方ばかりだったということも影響していたかと思います。

メンズ生産課ではどのような仕事を担当しているのですか?

今年で10年目になるのですが、現在はメンズの生産責任者として、商品開発におけるかじ取り役をさせていただいています。企画段階から納品まで商品におけるすべての過程に関与することになります。工場の開拓・選定、原料の調達から製品の発注を行い、発注後も納品までの間、サンプルチェックを重ね、納期通りに商品が出来上がるためのスケジュール管理をしています。GLRでは、より多くのお客様に気軽に購入していただけて、品質面でも安心して選んでいただける商品を提供したいと考えていますので、常に変わり続けるお客様のニーズ・価値観に合致したベストな生産の組み立ては何なのか先を読みながら情報収集を続けていくことも大切だと思っています。社内に置き換えると「こういった商品があったら良いのにな、作ってみたいな」という企画に対して、どんな素材を使って、何処の工場で製造すべきか、コスト面にも配慮しながら、最良のレシピ作りをしている感覚です。結果的に、「この品質でこの値段はすごくお得だね」とか、「ちょうどいいバランスの商品だよね」などと言ってくださるお客様や同業他社の方々もいらっしゃり、そこに面白みとやりがいを感じています。

環境に配慮したエシカルな商品の開発に力を入れている。着手したきっかけは?

GLRのブランドコンセプトとして“Be happy ココロにいいオシャレな毎日”があり「グリーン」というネーミングからも連想できるようにエコ活動に対しては積極的でした。そうした中、古い羽毛製品をリサイクルして再利用する「グリーンダウン」を紹介いただいたとき、純粋にやりたいなとごく自然に思ったんです。ダウンがリサイクルできることを初めて知りましたし、ブランドの取り組みとしてもリンクしやすいと感じました。お話を聞いてみると商品化に向けて問題が多々出てきたのですが、何とか日本で初めてのこの取組を実現してみたいという気持ちが沸き上がり、業態でプレゼンテーションをすることになりました。

グリーンダウンプロジェクトの内容と、ダウンをリサイクルすることのメリットを教えてください。

日本屈指のダウン洗浄技術を持つ河田フェザー様の呼びかけから始まった活動です。羽毛はリサイクル可能な「資源」ということを、本業を通じ日本に広めていきたいと賛同した企業が募りグリーンダウンプロジェクトという協会を設立しました。そこでは、循環型社会の実現を理念に掲げ、使わなくなったダウン製品を回収・解体・洗浄・リフレッシュ加工をして、新たなダウン製品として生まれ変わらせる取り組みをしています。近年、ダウンの価格が乱高下しています。原因は食肉としての需要の低下、鳥インフルエンザによる殺処分の影響、発展途上国が経済発展をする中での需要の高まりに対して供給が追い付かないということがあります。これに対してリサイクルダウンは、回収コストや洗浄コストはかかりますが、新毛の相場とは関係がありませんので、コストが安定し、回収量が増えれば安定的に供給できるということになります。もちろん、再利用することで本来であれば廃棄・焼却される際に排出されるCO2を削減することができます。実はダウンは100年使えるリサイクル資源だといわれています。ダウンジャケットも例えば10年着たとしても綺麗に洗えば10回再利用することができるわけです。河田フェザー様はもともと名古屋に工場があった会社なのですが、研究により、多雨地帯である大台ケ原山地を水源とする伏流水が超軟水でダウン洗浄に効果的だということが分かり、その山々に囲まれた伊勢平野に移転されたという熱心な会社です。実際、試験管で透視度を測る静浄度テストでは、新羽毛からとったバージンダウンに比べてリサイクルダウンの方がキレイだという結果もあります。一度使用することで、こすれてほこりが落脱することと、河田フェザー様の高い洗浄技術によるものでしょう。このことが、安心してリサイクルダウンをおすすめできる自信にもつながっています。

実際に販売している「リサイクルダウン」はどのような商品なのですか?

2015年秋冬シーズンからスタートし、メンズ、ウィメンズ、キッズの一部ダウン製品で展開しました。これまでのダウン商品と大きく変わらない価格で提供をしています。使用しているダウンはリサイクルですが、デザインは自由にできますから、より新しい価値あるものへとアップサイクルができることになります。商品開発をする上でデザインやテキスタイルの制限なくエシカルな取り組みを実現できるのがこのグリーンダウンプロジェクトの良さだと思います。また販売時には「グリーンダウン」専用の下げ札をつけてリサイクル資源であることを認知していただけるように、「ダウン製品は捨てずにお持ちいただければリサイクルに活用させていただきます」という内容を記載しました。グリーンダウンのロゴマークが入ったピスネーム(織りネーム)もつけているのですが、5~6年後なのか、10年後になるのか、私たちが提供したそのロゴマークの付いたグリーンダウン商品が回収されて、再利用するといったことがおこればうれしいなと思っています。

ダウンのリサイクルをし、グリーンダウンをGLRで商品化するうえで、最も大変なハードルはどのようなことでしょうか?

羽毛リサイクルの認知度が低く、まだ回収量が少ないことでしょう。羽毛製品は衣料と羽毛布団の2つに大別されます。ダウンジャケットは1着で150~200g、布団は1枚で2キログラムほど回収できます。そのこともあり回収は同プロジェクトに参加されている寝具メーカー様や自治体に頼る形になっており、衣料の回収はまだこれからという段階です。また総合的にも回収量が少ないために効率が悪く、現状では新羽毛を購入するよりもコストが高くなってしまっています。初年度はダウンジャケットを販売する会員間で使用量の調整・制限をする必要がありました。まずはこの活動の認知度を上げ、回収量を増やすことで、安定的に使用できるようにしたいと思っています。

取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

一般的にもエコバックが広く普及していたりと、お客様の環境保全やエシカル消費に対しての関心が非常に高くなっていると感じます。社会に貢献したい、環境を良くしたいという潜在的にこれまでも皆持っていた気持ちが新しい価値観・自己表現として着実に根付いてきているのだと思います。それは消費に対しての責任といった大袈裟なものではなく、商品のバックグラウンドへも関心を持って正しいものを選びたい、そのことによって、気分が良くなるということを皆知っているからだと思っています。だからこそGLRの商品を通じて、お客様がなんとなく環境や社会に貢献できて、少し気持ちが明るくなる、と感じていただけるような取り組みを今後一層行っていきたいと思っています。

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