スタッフインタビュー

社会価値の創造

まず第一に、世界に通用する新しい日本の生活文化の規範となる価値観を創造し続けることこそが、社会価値の創造につながると考えています。またその過程においても、法令の遵守や環境保全など、社会との信頼関係を築き、社会の発展に貢献していきます。

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正しく作られたものを正しい価値で正しくお客様に届けていきたいです。

UA本部 メンズ商品部 部長 チーフMD
初田 健一

寄付やチャリティも大切なことだと思いますが、私たちはユナイテッドアローズのビジネスを通じて、お客様に対して新しい価値の創造することで、社会に貢献し、社会価値を向上させていきたいと思っています。

商品調達で最も大切にしていることは何ですか?

常に新しい価値を創造し、正しいものを正しくお届けすることです。7年間の店頭勤務後、10年間商品に携わり、今は商品部長で、「ユナイテッドアローズ(UA)」事業のメンズの商品調達の責任を負っています。常に意識してきたのは、SPAのモノ作りの部分も含めて、お客様に対して新しい価値を創造したいということです。

最近、エシカルという言葉でも表現されるようになりましたが、正しく作られたものを正しい価値で正しくお客様に届けることができれば、お客様、従業員、取引先様、社会、株主様にとっても価値が生まれ、5つの価値創造ができると考えています。東日本大震災後には、正しいモノ作りに対する意識が高まり、素材や産地、流通の過程などを一気通貫で管理し、トレーサビリティできないと売れない状況が生まれています。正しいものを求めるお客様や社会的ニーズに応えていきたいと思っています。

新レーベル「TÉGÊ UNITED ARROWS(テゲ ユナイテッドアローズ)(以下テゲ)」の狙いは?

2014年春夏シーズンから、主力のUA事業で「テゲ」をスタートしました。ビジネスを通じて貧困地域の女性の自立を目指す、国際貿易センターのエシカル・ファッション・イニシアチブ(EFI)と協業したもので、アフリカのクラフツマンシップと、UAのデザインアイデアを融合させたモノ作りに挑戦しています。アフリカで作った商品を先進国に持ってくるのは、想像以上に大変です。物流が未整備で定期運送便もありませんし、港まで運搬するだけでも一苦労です。

けれども、女性たちを中心に作られたエスニック、地のもの、ローカルのものを、先進国や都市部に届けて販売し、その対価として賃金を払う。そのお金で生計を立て、子どもを学校に行かせられるなど、自立した生活ができる女性が増えることは、素晴らしいことです。「テゲ」を通じて、社会貢献することと同時に、アフリカ各地の地元の文化を新しい価値としてお客様に届け、新しい文化創造につなげたいと思っています。

アフリカを訪問した際の印象はいかがでしたか?

昨夏ケニアを訪問しましたが、衝撃的でした。工場はスラム街のど真ん中にあり、道路も水道も電気も整っていないし、道に穴を掘って下水を流しているような状態で、臭いもすごい。また、男性はほとんど働かず、経済を女性が支えながら、子どもを育てている状態です。でも、EFIの後押しもあり、彼女たちに悲壮感がなくて、楽しそうに働いていました。モノを作るモチベーションは確実にモノのクオリティに現れます。エスニックというか、地のものの力強さを感じました。

スラム街はとても荒れて危険なのですが、今や10万人近くが生活しているところもあります。何もないところに小屋を建てて住む人が増えて拡大していくのですが、人が集まると街になり、学校やラジオ局ができたりもしていました。略奪や銃で撃たれる危険もありますが、コミュニティとして発展していく生命力や力強さを感じました。小高い丘にある集会所にマサイ族の奥様方に会いに行ったのですが、青空の下、緑の芝生の上に美しい布やバティックプリントが映えて美しかったです。そこで歓迎の歌と踊りで迎えてもらったのも印象的でした。

エスニック商品のUAでの位置づけはどのようなものなのですか?

商品の品揃えにあたり、エスニックは重要な要素です。また、「テゲ」に関わらず、モノのルーツや製造現場を重視し続けてきました。創業者の重松理が1970年代にセレクトショップを立ち上げた時代には、情報が少ないなかで、ルーツをたどらないとモノが調達できませんでした。アルバイトから仕事を始めた自分がバイヤーになった10年前には、かなり商品も充実し、日本の展示会で海外のブランドが買えてしまう時代になっていました。

でも、時代の変化についていけなかったり、お客様にご支持いただけなくなったり、危機を感じた時もありました。その際、創業者の志を徹底し、改めてルーツを見つめ直すことや、現地を訪れることの大切さに気付きました。僕たちはモノだけでなく、そこに宿る空気や香りごと店頭のお客様にお届けすべきなのです。だからこそ作り手に会い、モノが生まれる相手のホームに行くことが大切なのです。

「テゲ」のモノ作りのポイントと、今後のビジョンを。

ケニアでは、ハンドワークでビーズ刺繍をしたバッグやビーズアクセサリーを中心に生産しています。10畳分ぐらいの場所にミシンを置いた小さな工場のほか、いくつか工場があるのですが、皆とてもキレイで管理が徹底されていました。現地語で「整理整頓」と書かれていたり、インターナショナルのクオリティで教育されたりしていて、自立に向けた動きが根付き始めています。

綿花畑があるブルキナファソでは、手織機で綿織物を作っています。細番手のものはできないので、分厚い生地になってしまうのですが、それも味になっています。その生地を日本の縫製工場で縫い、ジャケット、パンツ、スーツを作りました。本当は5月に発売する予定が、納期通りに織物が仕上がらずに8月にずれ込んでしまったのですが、子どもの病気や、干ばつになると畑に水をやらないとならない、という生活の中ではやむ負えない部分もあります。それを理解したうえで、寄付やチャリティではなく、現地の方々が自立し、スキルアップし、インフラが整い、インターナショナルクオリティになり、正しい価格で取引されて、対価が支払われ、生活レベルが上がる、そういう正しいビジネスでサポートできたらと思っています。

今後は国内外の店舗にも卸せたらよいですね。商材も拡大したいですし、デザイナーとのコラボレーションや、欧州の高いクオリティの商品とアフリカのハンドワークを組み合わせるなど、フィールドを広げていきたいと思います。

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